悪の芽
貫井徳郎さん著「悪の芽」読了。
人間って創造力はあるのに、想像力は無いんだろうなあ。未来を思い描いて(これが想像だと思うけど)それに向けて創造する力はあるから、テクノロジーが発展していく。
でも、未来や技術じゃなくて、今隣にいる人の気持ちを想像するのって、やっぱり上手くない。他人の傷は「痛そう」と思えても「痛い」とは感じられないもんなあ。
痛みは自分に降りかからないと分からない。分からないと言う事が悲しい。
絶望や痛みや怒りは、どうやって消化すればいいんだろう。
相手が社会だろうが、個人だろうが、外に向けて晴らせるものだろうか。自分で消せる方法があればいいのに。
自分の痛みすらどこまで耐えられるものなのか分からない自分に、他人の痛みを想像する事は難しい。
ただ、とても難しいと言う事だけは忘れないでいようと思う。