すみっこでボソボソ

・・・ん?

ワタクシ事 1

間もなく母の命日が来る。今年は年忌法要なので、久しぶりに兄から連絡がきた。
このご時世なので、簡易的に済ませるとの事。私は現在体調を崩していることもあり、わざわざ帰阪しなくても良いとなった。体調が万全でも帰らなかっただろうけれど。いいよと言われてホッとした。

 

母の事は、なるべく忘れたままでいたいが、時々ふたが外れてしまって、そこから出てくるあれやこれやは、未だにワタシを苦しめる。

 

兄と「母の事」を話していると、同じ人の話をしているとは思えない。兄は、母のお気に入りだったから。
兄はおそらく一度も母にぶたれた事はないだろう。
私はたびたびぶたれていた。それも箒の柄が折れる程ぶたれて、背中はいつも痣だらけだった。今思うと、母のストレスのはけ口だったんだろう。母はそれが良い事ではないと自覚があったはず。決してそう言う病気ではなかった。何故なら巧妙に私への暴力を隠していたから。
父も兄も知らない。

もし私が言えば、さらに酷いことになると幼心に感じていた。

 

今さら兄の持っている「お母さん」のイメージを貶めようとは思わないが、そのせいで兄から見ると私は恐ろしく冷淡な人間に見えるらしい。まぁ。そうだろうな。私は自分の意志で母を捨てたのだから。それも母が癌を患って闘病している時に、捨てると決意したのだから。