すみっこでボソボソ

・・・ん?

銀杏

朝の通勤時の東京駅付近。品川あたりから街路樹に銀杏が増えて、その黄色く色づいた銀杏の木々かきれいだったけれど、さすがに12月も半ばとなれば、そろそろ散りかけて色も茶色くすすけてきた。

 

銀杏を見るといつも思い出すのは、奈良のどこかのお寺の、お堂の前に一本だけ立っていた銀杏の木。自分がいくつだったか覚えていないけれど、とにかく子供の時の思い出。

だから大きさには補正がかかっていると思うけど、その銀杏は大木だった。

雨上がりの傾きかけた陽の光をあびて、銀杏の葉が黄色と言うより金色に輝いていて、お堂の弁柄色の手すりや、重々しい甍の濡れて墨のような黒と、黄金に輝く銀杏の大木の取り合わせが、子供心にも「息をのむような荘厳さ」を感じさせた事を覚えてる。

 

それから銀杏の色づく季節が好きになったし、銀杏の色が好きになったし、銀杏も好きになった。

自然が作り出す美しさってすごいなと思った最初の経験だったなあ。